酔歩のパラドクス

2004年11月27日
コインを投げる。表が出たら前進。裏が出たら後進。こういう操作を何度も何度も繰り返す。すると、どんな位置にいるだろうか。

 そのような実験をシミュレートし、グラフ化したりするのをランダム・ウォークと言う。日本語では酔っ払いの千鳥足に似ていることから酔歩と言う。

 事態は二次元的に考えたりして複雑になっていくのだが、ここでは上のような単純な問題で考える。

 つまり、前に行ったり、後ろに行ったり。

 コイントスで裏表が出るのは無論“1/2”だ。だから、前方に偏ることも無く、後方も偏ることも無く、結果として最初にいた位置を原点として行ったり来たりする・・・そんな想像が容易に思い浮かぶ。

 しかしよく考えてみよう。コイントスというのは毎回で独立している。だから、もし最初のトスで“+1”の地点に来たとして、再びトスを繰り返すとすると・・・最初の試行を無視すればこの“+1”が原点となってしまい、酔っ払いは“+1”の地点を行ったり来たりすることになる。

 それどころか、偶然“+3”や“−5”なんかの地点に来たりしたらたちどころに、その地点を中心に行ったり来たりすることになる。これは矛盾ではないか。

 つまり独立性が保障されている限り、行ったり来たりするという推論は有り得ない。しかし、独立性が保障されている限り、分布に偏りは見られない。これは互いに矛盾しているように見える。

 あるいは、結局酔っ払いは好き勝手予測不可能なところに行ってしまう、ということなのかもしれない。

IQ入試

2004年9月4日
 夏休み。オープンキャンパスをはじめとして受験生に宣戦布告的な広告が国鉄や地下鉄なんかで、始終見られた。オープンキャンパスかー、志望校も決まってない(多分)のにめんどくさいなぁと、アンビバレンスなことを考えながら(志望校が決まってないから行くのである)、やる事もなく地下鉄の中でふらふら立っていたら、広告の一つに面白いものがあった。
IQ入試:○の中に入る数字は何でしょう?
取り敢えず、IQ125、PQ138(所詮はテレビの実験で確かめただけだけど)を誇る私としては、がたごと揺れる地下鉄の中で内心に即答しておく。答えが書いてなかったので、答え合わせはできなかったが・・・。

 ⇒http://www.nucba.ac.jp/001_iq01.html

 何でも、名古屋商科大学で導入される新しいタイプの入試らしい。IQで受験生のレベルを計るらしい。(後英語と面接もある)

 うわっ・・・意味ねぇ、なんて思ったもんだから、IQの解答にも興味がなくなって、7月から地下鉄に張り出されていたのに、答えの載っているホームページを見ていなかった。

 で、ふと思い出したんで見てみる。既に9月の問題も発表されているらしい。ていうか何だ、通学はケッタ(自転車)なんで確認してないんだけど・・・ここで見ちゃ意味ないな。

 IQのテストって、何度も解いているうちに出題者の思惑とか意図とかがわかってしまって、『こんな数字が沢山出ていたら、取り敢えず足したり引いたりすればいいんだな』とか『図形の並び方の規則を見つけるなら、取り敢えず図形をバラバラにして考えればいいんだな』とか、そういうテクニックを知ってしまうから、そろそろ意味がなくなってきてるんじゃないかな、って思えたりもしない。大体にしてゲームみたいなもんなんだから。IQ=計算力になっちゃ意味ないよね。

 受験して受かる自信は無いこともないが、あんまり(というか全然)興味がないや。でも地元だし、ネタ的に受けてもいいかも・・・いや、受験生だしそんな余裕はないか。

 取り敢えず、オンライン体験云々は簡単ですね。問題に数限りがあるから、何度もやれば即答だ(笑)

理不尽な話

2004年8月26日
 数学とは例外が多すぎる。例えばルートに関しても。

 √4

 この値は一目で2であると判る。判るが、なまじ知識があると±2でもいいんじゃないかと思ってしまう。4の平方根ということは、プラス2でもいいがマイナス2もまた4の平方根だからと。

 √4=±2?

 いったんそう思い込んでしまうと袋小路にはまってしまう。√の入った計算がまともにできなくなってしまうのだ。

 二次方程式というのを深く学んだために、彼はそんな勘違いをしたんだろうが、参考書なり何なりをちゃんと読めばこう書いてある。

 √x:xの正の平方根

 誰が何と言おうがこれが定義。√4はマイナス2にもなりそうだが、こう定義されているのだから仕方ないのである。

 さて、根号には平方根だけでなく立方根というものもある。この日記では数学記号は書けないので、わかりにくいが立方根を3√と書こう。ルートに3を掛けたわけではないので悪しからず。

 3√(-8)

 さて、今度はマイナス8の立方根である。これも一目でマイナス2であると判るはずだ。

 しかし、なまじ知識を持っている彼はこう考えてしまう。『根号というのは正の値を返すんだから、マイナス2では変だろう』。

 もっともな話である。√の時マイナスは駄目とわざわざ定義したんだから、立方根でも駄目なはずだ。そもそも根号の中に負の数が入っていいのか。色々な問題が発生してくる。しかし、参考書を見るとn乗根はこう定義されている。

 n√x:xの正のn乗根。但しnが奇数なら実数のn乗根。

 わざわざ但し書きをして、立方根や五乗根のときは実数(つまりは負の数)OKだよ、っと例外を持ってきている。

 数学とは何か後から例外を加えて、継ぎ接ぎしたような学問だ。理不尽な話である。

 誰か数学界に革命を起こして、一度集大成を仕上げるべきであろうと、私は彼に一任したい。

 さて、ところで度々出てきたその彼とは誰のことだろう?

ペーキュー

2004年7月28日
 ただ頭がいいだけではいけない。人生に勝利するにはセンスが必要である。その潜在能力指数を表したのが『PQ』である。

 IQに便乗したEQのように、また馬鹿馬鹿しい指標が現れたようです。潜在能力?はん、そんなもんなんの役に立つんだ。IQの方がよっぽど生きてく上で重要だと思うぞ。小賢しくなったって何の価値も無い。

 云々な馬鹿馬鹿しさをふと感じたのだが、TBSで紳助が司会になってPQテストなんてのがやっていた。暇つぶしにちょっと見てみる。

サトル君の寝室は、ベッドから電気のスイッチまで3メートル離れています。
サトル君が電気のスイッチを切った後、部屋が暗くなる前にベッドに入るには
どうすればいいでしょう?

 自分の家だし、真っ暗でも身動きは取れるぞ。誰だって、真夜中に寝室からトイレまで真っ暗でも歩いていけるだろ?(できませんか?)ましてや3メートルなんて・・・こういう問題提起が馬鹿馬鹿しくてかなわん。

 これが答えじゃまずいでしょうから、考えてみる。そうだね、ベッドを動かせばいいんだ。そもそも、そんな不便なところにベッドを置いたサトル君が悪い。なーに、たった3メートルだ。そう手間も腕力もいらんだろう。

 なんて、考えていたら、

「昼間、部屋が明るいうちに電気を消し、ベッドに入った」

 が答えだそうだ。何でも、『寝室』『ベッド』と聞いた時点で、『夜』だと連想したんじゃないんですか、と解説していた。あのー・・・それじゃぁ聞きますが、昼でなく夜にベッドに入りたいときはどうすればいいんですか?PQがあっても、実用的じゃないんですね。全然生きていく上で役に立たないじゃないですか、と突っ込みたくなった。

 何か、それからも馬鹿馬鹿しい問題(というより謎々)が続く。うーん・・・IQがあった方が役に立つと思う。問題がどっかで聞いたことのある問題だったり、それどころか理解できないような問題もあったりしていまいちだった。

 ホームページはこちら。
 http://www.tbs.co.jp/pqtest/index-j.html

 ちなみにPQ値138でした。平均は32点だそうで。ふ〜ん、って感じ。

変則的計算術

2004年3月17日
 アメリカ大統領選が近い。是非とも、戦争を起こすような某氏に当選して欲しいとは微塵とも思っていないのだが、当選してしまいそうな予感が若干あるので何だか仕様も無い世の中だなぁ、と困りつつ、ある統計を見る。

 大統領の政策で重視して欲しいことは何ですか?

 ・経済について・・・65%
 ・テロ対策のついて・・・26%
 ・それ以外・・・9%

 “経済”圧倒的に強く、ほぼ2/3を占めているといっていい。一方、テロ対策は1/4である。

 生憎、私は経済問題に強いわけではないので、これ以上何も言及できませんが、この数値を見ていたらパズル家精神が沸いてきた。(何じゃそりゃ)

 “経済”と“対テロ”を併せたとき、それは全体でどのくらいの割合を占めているか。分数で答えよ。

 なんて、小学生レベルの問題があったとする。経済は2/3で、対テロは1/4。実際的な数値ではそれぞれ±1%オーバーしている(2/3=66%、1/4=25%)が、足してしまえばお互いに帳消しになるので気にしない。

 この計算は容易く、単に2/3と1/4を足せばいい。お互いに通分して、

 (2×4/12)+(3/12)=(8+3)/12=11/12

 全体の11/12を占めていることがわかる。しかしこの計算、2/3を通分したとき、2を4倍するという操作があり、暗算でするとしたら結構邪魔な部分だ。

 この部分の計算を改良しよう。

 2/3という数値が、1から1/3を引いた数であることに注目する。この数値から、1/4を引いてやると、その値は2/3と1/4を足した数を1から引いた数になる。

 それで、1/3−1/4を計算する。これは通分すると分母が12、分子が4-3で、暗算でも十分できる範疇だ。こうして返る値は1/12である。

 後は、1から1/12を引いて、答えは11/12、でいい。単に足して、面倒な掛け算をするよりも、変則的に引いて戻す、という計算の方が、技巧的に上手いと思う。

 ふと、小学校の時代の、算数が懐かしく感じられた。

 あの頃に返りたい。

 ・・・・・・というのは多分嘘。

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

最新のコメント

日記内を検索