野望

2006年10月6日
 農学部の応用生命科学の講義で、トヨタのバイオ戦略の話を聞く。

 エタノールはガソリンと沸点が同じなため、内燃機関に用いることができる。エタノールはグルコースを酵母クンに頑張って醸してもらえば作ることができる。グルコースはセルロースを加水分解すれば得られる。セルロースは植物としてそこらへんにたくさん転がっていて、かつ植物は再生可能である。ゆえにガソリンに替わるエネルギーとして植物が使えれば!

 っていう話で、トヨタがこのバイオエタノール開発を独占しているのだそうだ。ライフサイエンスのapplyとして野望に満ちている。使える生命はとことん利用してやろうというのが、applied life scienceの根本ではあるまいか。

 更にだ。乳酸菌チャンにも登場してもらって、醸してもらってできた乳酸を重合すると、ポリ乳酸という生分解プラスチックの完成だ。これを車体に用いることができれば一石二鳥である。

 applyとは何と、ambitionに満ちたことか。思えばwhyを追求する理学はromanを抱えているのだと思う。

 理学と農学の棲分けは、前者の学者はromanを抱き、後者の学者はambitionを抱くことに起因するのではないかと、そう思った。

 野望と言えば、地球科学系の人からこんな話をこの前聞いた。宇宙産業において。宇宙ステーション開発が現在進んでいるが、その次の目標は月面基地の完成。これは遠い将来の話ではなく、米の方針では20年以内だとかなんだとか。そのとき、月面で作業するrobotが、made in Japanか、made in Chinaか、made in Indiaかで、日本の将来が大きく変わるだろう。

 野心を持った学者もいるもんなんだな。

 どうも最近romanに追いすがってばかりいる気がするので、今後ambitionに満ちるよう、気をつけたいと思う。

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