夜の山

2006年9月11日
夜の山
 夕方に、ふと唐突に大文字山に登りたくなったので、銀閣にある登山口からスタスタっと登ってく。秋雨前線の中、ちょっとだけ晴れたのが嬉しかったからだろう。大した動機もなく、山道に入っていた。

 いつもの大文字山コースは、【銀閣寺】→【大文字山火床】→【三角点】→【蹴上】って感じだが、今日はふと比叡山の方へ行きたくなったので、逆方向へ進んだ。もうすぐ夜が更けるというのに。

 すなわち、今回のコースは、【銀閣寺】→【火床】→【三角点】→【池の谷】→【比叡平】である。

 長い道を歩いて、薬草園を通過し、比叡平という所に着いた。ここはもう京都ではない。滋賀県大津市である。比叡山は京都市と大津市に挟まれる山である。

 ああ府外に来てしまった、なんて思いながら、途中で引き返すことに決めた。もう太陽は沈み、暗くなっていく。

 3時間ぐらいのんびり歩いてきたので、逆走コースはそれなりに長い。日が明るければ、このまま比叡山まで向かうつもりだったが、突然思いついた登山計画だったので、そこまでは達せず。

 夜の山道は本当に怖い。登山道というのはそれなりに出来てるから、昼間は迷うことは無いが、夜の林床は本当に真暗で、いったん道を間違えたとしたら、もう二度と戻れなくなる。明るくなるまで待たねばならない。つまり、一晩じっと暗闇の中を耐えなきゃいけない。

 そういう危惧に加え、足元しか照らすことができない懐中電灯を見つめて、新しい恐怖を思いついてしまった。電池の予備忘れた・・・。

 電池が切れたら、どうにもならないじゃないか!

 全くうっかりである。これは流石に怖かった。(まぁ、何時間も持続する懐中電灯を持ってるので、下山までにプツンと切れないということはわかっていたけれども。でも怖い。)

 しかもよりによって独りで歩いている。出掛けるときに道端で偶然友人に会ったが、まさか僕が遭難するとは思わないだろう。迷っちゃいけない、迷っちゃいけないと怯えながら歩く。

 目をつぶっても歩けるぐらい、何度も歩いた道だから、と言い聞かせようとも、昼と夜で山というのはガラリと姿を変える。秋の虫が羽を振るわせる音、獣がガサリと動く音、全ての音に集中しておそるおそる歩く。

 そして、何とか三角点に辿り着き、大文字からの京都の夜景を始めて見る。京大のグラウンドが見える。御池通りが見える。京都タワーが見える。山登りの快感の一つに、普段歩きなれた道を、頂上から見下ろすことができるということがある。そして、それは昼と夜で姿を全く変える。

 写真は火床(いわゆる大の字の部分)から撮った京都タワー。

 夜の山道は怖いですが、こういう景色が見られるのです。所詮標高500mにも満たない山だから、散歩気分で登ってみるのも楽しい。

 ちなみに、夜の大文字山を登ってる人は結構いるので、危なくなったら立ち止まって、誰かが懐中電灯を照らして登ってくる(降りてくる)のを待って、助けを求めるといいでしょう。山登りはパニックを起こしたら負けですから。

 てなわけで、今度は誰かを道連れにして、夜景を見に行くことにしよう。あと、大文字山⇔比叡山にも挑戦しなきゃ。

 山登りは楽しい。夏休みは時間が自由に使えるから素晴らしい。

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