水木センセは偉大だ

2005年6月26日
水木センセは偉大だ
 岐阜市歴史博物館へ行く。というのも、水木しげる展が開催していたからだ。正式名称は大(Oh!)水木しげる展らしい。変なセンス。プロデュースは当然のように、京極夏彦と荒俣宏。この二人もよくやるよなぁ。季刊誌“怪”はちゃっかり読んでいたりします。

 ⇒http://www.asahi.com/event/mizuki/

 最初は敬愛する水木先生の原画でも置いてあるのかなぁ、程度にしか思って無かったけれど、中々大規模な展示会で驚いた。入ると水木先生の等身大人形が出迎える。かなりの精巧さで一瞬驚いたよ・・・合わせて妖怪じみた笑い声。ああそうか、水木センセはこういう人なんだ。だいたい京極夏彦のデザインだという水木しげる展のポスター。なんでベロ出してるの・・・アインシュタインみたいだ。いえ、僕は水木センセをアインシュタイン以上に尊敬しているから好評価ですが(笑)

 まず水木センセの自伝マンガに合わせて生涯を辿る展示。のんのんばあの神秘的教育に始まり、学生時代、戦争への出立、右手を失う、原住民との交流、紙本屋時代、鬼太郎誕生、そして今に至る、といった感じ。もう既に自身が妖怪と化している(としか思えない)水木先生はこんな波瀾で神秘的な人生を歩んできたから、あんなマンガを描いてきたんだよなぁ、と今更ながら感動する。鬼太郎ファミリーのぬりかべは、ニューギニアで水木先生が実際に出会ったのらしいよ。

 悪魔くんやゲゲゲの鬼太郎のアニメで育ってきた世代だから、水木先生の影響力は多分に大きい。人魂のてんぷらとか、ぬりかべのコテとか、霊界輸送機とか、ぬらリひょんの石臼とか、ネズミ男のソロバンとか、ソロモンの笛とか、三次元化して置いてあったのが面白かった。もちろん鬼太郎の家もあった。日曜日だけあって老若男女幅広い世代が訪れていたのには、水木センセの偉大さの賜物なのだろうが、果たしてまだ幼き子供にこのネタがわかるのだろうか・・・昔は鬼太郎のアニメの再放送がバンバンやっていたけれど、最近見ないよなぁ。妖怪大戦争の映画が終わったら、いっそ新シリーズ作ればいいのに(笑)大海獣も懐かしい。確かぬ〜べ〜と一緒に映画やってたよな。

 奇妙奇天烈な世界の仮面も展示されていた。水木ロードで飾られているらしきブロンズ像なんかもあった。凄い念の入用である。更に水木先生の人生絵巻や、大作・妖怪道五十三次の原画も置いてあって、まじまじと見入っていた。水木センセの描く妖怪はユーモラスだよなぁ。今世に知られている妖怪の大部分は、否応無く水木先生という媒体を通じて広まっているわけだし。

 東海道五十三次のパロディ(画集によれば本歌取りのつもりだそうだ)である妖怪道五十三次も中々楽しめる。東海道に乗る観光地がこんなに妖怪に溢れているなんて、親近感が湧いていい?

 首途である「日本橋」と、ゴールの「京都」と、我が地元の「宮」(←熱田神宮)のポストカードを買う。かなり丁寧に作ってあるようで、結構値がはる。複製原画だけでなく、特製版画まであるらしい。

 水木センセはやっぱり偉大だと思った。

 もうすぐ妖怪大戦争の映画がやるけど、ちょっと楽しみ。水木先生で育った世代は当然行くだろうし、勿論子供も行くだろうから、かなり幅広い世代に大ヒットするんじゃないだろうか。

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 ついでに名和昆虫博物館に寄る。相変わらず昆虫標本がどっちゃり置いてあった。ヘラクレスオオカブトなんかも当然のように置いてある。最近ムシキングが話題だよね。どういうものなのかさっぱりわからないんだけど。ギフチョウの地元だけあって、ギフチョウに関する展示が盛りだくさんだった。生きている虫としてはタガメやナナフシやチョウのサナギが置いてある。何かもう目が肥えてしまったのか、ナナフシの擬態を簡単に見抜けるようになってしまった。純粋に虫を楽しむ時代は終わったのか?

 昆虫標本否定論者なので、あまり感想は書けない・・・例えばトンボのめがねは水色めがね、となんかの童謡で謳われるが、残念ながら標本になるとトンボの眼は生気を失ってどんより黒々となるのですよ。標本でギンヤンマを見ても、それがギンヤンマだとは判るまい。

 もう昆虫採集ぐらいで虫は絶滅しない、という論理は通じなくなってきているので、そろそろ見直すべきではないだろうか。昆虫を相手にするにしても、デジカメで写真撮る方がよっぽど能動的で楽しいんだよなぁ。

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