抜歯
2005年5月20日 いつのまにか抜かれていました。何というか、その・・・ゴリっと。数日後、またもう一本抜きます。
歯の矯正をするためには、邪魔な歯を抜いて押し込んでやる必要があるのです。そのために、両側の小臼歯を一本ずつ抜く羽目になってしまいました。
虫歯があるわけでもなく、なんとも無い正常な歯を、抜かなければならないなんて。痛みを伴う後悔はありませんんが、医者から渡された流血と微かに肉(正体が何か考えたくない)の付いた永久歯を見ると勿体無い辛抱と引き返せない絶望がまぁひしひしと。
いやぁ、若かりし頃抜けた乳歯と永久歯ってぜんぜん違いますね。頭蓋のレントゲン(これも矯正の一環)を見てどんな代物かは見知っていたんですけど、実際に抜いてみるとこれはまたもう。すっごい長い。釘のように真っ直ぐ尖って歯茎に食い込んでいたんだ。手渡された歯を見て実感しました。
しかし、抜く時もなんともあっけなかった。憤血と飛沫が顔にかからないようにするためか、はたまた鋼鉄の器具が口腔に入るという恐怖を軽減するためか、歯医者さんは受診するときいつもタオルを乗せて目隠しをしてくれますが、今回は念の入用だった。目隠しどころか首元まで顔中にタオル乗せてくれるんだもの。本当に何をやってるのか検討もつかなくて、流石にドキドキ。
麻酔をプスっと注射。まぁそんなに痛くは無い。うがい薬で消毒をして、歯垢を軽く取る。そして言われるのだ。「じゃあ歯をずらしていくからね。」ゴリっ。ゴリっ、と。右上顎の第一小臼歯を一帯に、何でつかんでいるのか歯を揺さぶられる。麻酔があるので痛くはない。「痛くないかい?」「大丈夫ですよ。」
もしかして抜いた瞬間に麻酔をも超越した激痛が走るのではないかという恐怖に怯えながら、ジリジリと暗闇を見張っていたのですが、一向に抜こうとする気配はない。雰囲気としては確かに大変な器具をいっぱい使っているようには見えるんですが、目隠しが邪魔で動向は探れない。
そんなとき、何だかチクチクやっているのを感じた。何だかよくわからないんだけど、チクチクと縫われているような感覚。そうかもうすぐ抜くのか・・・何だかよくわからないけど、今は準備段階にとうとう入ったんだな。
そう思った瞬間、ガーゼを挟まれて噛んでくれ、と言われ、目隠しを外され起き上がられさせられた。えっ・・・?数秒後、ガーゼを外して、うがいをしてみるとスプラッタ。振り向くと、歯医者さんは手に長く尖った小臼歯をつかんで、「消毒して後であげるからね」と言う。
曰くチクチクしたのは、傷口を縫っていたということだ。何てこった、歯そのものはとっくの昔に抜けていたんだ。歯医者さんが「痛くないかい?」といった時にはもう既に歯は抜けていたんだ。
あまりに呆気がなくて、痛みも全然感じなくて、ただただ口腔のスプラッタを見て唖然とするばかりであった。本当に痛いのは麻酔が抜けてからだろう。矯正器具を入れたときも痛かったが、こちらはこちらで神経を直接刺激する痛みがくるに違いない。ていうかきた。
鎮痛剤は極力使いたくない。薬で痛みを抑えるなんて嫌いなタイプの人間だ、俺は。正確には解熱鎮痛消炎剤という、いろいろな効能がある薬らしいが、それに加えて定期的に飲むよう抗生物質を渡された。
今度もう一本抜かねばならないが、その時はもう、怯えずに済むだろう。たった30分で生涯を連れ添ってきた掛け替えのない歯がなくなるなんて、なんて勿体無い。悔やみはするつもりはないが。後悔なんてしたら、この痛みを憎まずにはいられないから。
歯の矯正をするためには、邪魔な歯を抜いて押し込んでやる必要があるのです。そのために、両側の小臼歯を一本ずつ抜く羽目になってしまいました。
虫歯があるわけでもなく、なんとも無い正常な歯を、抜かなければならないなんて。痛みを伴う後悔はありませんんが、医者から渡された流血と微かに肉(正体が何か考えたくない)の付いた永久歯を見ると勿体無い辛抱と引き返せない絶望がまぁひしひしと。
いやぁ、若かりし頃抜けた乳歯と永久歯ってぜんぜん違いますね。頭蓋のレントゲン(これも矯正の一環)を見てどんな代物かは見知っていたんですけど、実際に抜いてみるとこれはまたもう。すっごい長い。釘のように真っ直ぐ尖って歯茎に食い込んでいたんだ。手渡された歯を見て実感しました。
しかし、抜く時もなんともあっけなかった。憤血と飛沫が顔にかからないようにするためか、はたまた鋼鉄の器具が口腔に入るという恐怖を軽減するためか、歯医者さんは受診するときいつもタオルを乗せて目隠しをしてくれますが、今回は念の入用だった。目隠しどころか首元まで顔中にタオル乗せてくれるんだもの。本当に何をやってるのか検討もつかなくて、流石にドキドキ。
麻酔をプスっと注射。まぁそんなに痛くは無い。うがい薬で消毒をして、歯垢を軽く取る。そして言われるのだ。「じゃあ歯をずらしていくからね。」ゴリっ。ゴリっ、と。右上顎の第一小臼歯を一帯に、何でつかんでいるのか歯を揺さぶられる。麻酔があるので痛くはない。「痛くないかい?」「大丈夫ですよ。」
もしかして抜いた瞬間に麻酔をも超越した激痛が走るのではないかという恐怖に怯えながら、ジリジリと暗闇を見張っていたのですが、一向に抜こうとする気配はない。雰囲気としては確かに大変な器具をいっぱい使っているようには見えるんですが、目隠しが邪魔で動向は探れない。
そんなとき、何だかチクチクやっているのを感じた。何だかよくわからないんだけど、チクチクと縫われているような感覚。そうかもうすぐ抜くのか・・・何だかよくわからないけど、今は準備段階にとうとう入ったんだな。
そう思った瞬間、ガーゼを挟まれて噛んでくれ、と言われ、目隠しを外され起き上がられさせられた。えっ・・・?数秒後、ガーゼを外して、うがいをしてみるとスプラッタ。振り向くと、歯医者さんは手に長く尖った小臼歯をつかんで、「消毒して後であげるからね」と言う。
曰くチクチクしたのは、傷口を縫っていたということだ。何てこった、歯そのものはとっくの昔に抜けていたんだ。歯医者さんが「痛くないかい?」といった時にはもう既に歯は抜けていたんだ。
あまりに呆気がなくて、痛みも全然感じなくて、ただただ口腔のスプラッタを見て唖然とするばかりであった。本当に痛いのは麻酔が抜けてからだろう。矯正器具を入れたときも痛かったが、こちらはこちらで神経を直接刺激する痛みがくるに違いない。ていうかきた。
鎮痛剤は極力使いたくない。薬で痛みを抑えるなんて嫌いなタイプの人間だ、俺は。正確には解熱鎮痛消炎剤という、いろいろな効能がある薬らしいが、それに加えて定期的に飲むよう抗生物質を渡された。
今度もう一本抜かねばならないが、その時はもう、怯えずに済むだろう。たった30分で生涯を連れ添ってきた掛け替えのない歯がなくなるなんて、なんて勿体無い。悔やみはするつもりはないが。後悔なんてしたら、この痛みを憎まずにはいられないから。
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