向う岸

2005年3月13日
 向こう岸に渡りたい。でも、渡れない。激流が阻んでおりました。水夫を探そうにも六道銭はありません。聞けば衆生は迂回しろということです。でも、源流に行くには猪突の勢いでも間に合わないじゃないですか。橋を渡ろうにもこの橋渡るべからずとのことです。構いませんとも、腹はくくりました。雨が引くのを待とうと思います。

 と自転車を漕ぎつつ、思っていたら、粉雪がほんの数分ほど降りました。ツグミが飛んでいて、春を感じた矢先のこと。薄着を捨ててコートを羽織る三月は寒いとよ。

 なんだか自分でも訳がわかりませんが、そういう心境が一瞬流れました。もう使い古されたボロいケッタに乗って出かけたら、ギアが回らないにも関わらず長い坂道を自転車で登ったら、唐突に大通りが封鎖されていたのです。

 車線の脇には中日の旗を持って騒いでいる群衆。交通規制を必死に頑張っている警察官、ボランティアなのかどうか町内の人々。そして、本来は自動車が走るべき天下の往来はマラソン選手が下っていました。

 ああ、今日は市民マラソンか。そういえば、朝テレビで駅伝の中継がやっていたな。まぁ、それはどうでもいい。とりあえずこの大通りを渡って向こう側へ行かないと。時間もないから急がねば。

 ・・・って、もしかして渡れない?

 急いでるんですけどーって警察官の人に尋ねる。「ああ、多分渡れませんよ。向こう側に行きたいと言われても・・・多分このまま真っ直ぐ降りて、迂回しないと向こう側には行けませんよ」

 理不尽でした。マラソン選手とともに、道を下って、ゴールを迂回せよなんて・・・歩道橋を渡ろうと思っても、多分観衆が高みにいるのはまずいということで封鎖されてるし、地下鉄の地下から迂回しようと思うにも自分は自転車。

 ていうか、なんでマラソン選手と一緒に走らなきゃいかんのかな。42.195はどんなに体力が有り余っていても、唐突には嫌です。

 マラソンって、走られてる分には他愛もないことですが、道路を渡りたい、用事のある人にとってはひどい話ですね。事前に知っとけってのも無理ですよ・・・さすがに。マラソンなんて予測しようがないし。

 疲れたー。

 とりあえず、信号が渡れないで困っていたら、親切な地元の人が、応援よろしくお願いしまーすっと旗を渡してくれたのには言われなき怒りが立ち込めた。う゛ー。

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