TROY
2004年11月19日
思わずDVD購入してしまった(笑)エリック・バナ最高です。
本当は劇場で見たかったんだけど、結局行く機会を逸してしまって、DVDで見ることに。何かDVD化早いですね。
『アキレス腱』『トロイの木馬』といった慣用句の語源を生み出したギリシア神話・イリアスの映画化。神話を知っている人には、ネタばれも何もないんですが、ネタばれ無しの方向で感想でも。
物語そのものが壮大なんで、さすがに映画も凄かった。スパルタ軍とトロイア軍のぶつかり合いは嫌気が指すほど強烈だったし、もちろん神話に登場するお馴染のアキレスや、王子パリスとメネラオスの一騎打ちもハラハラさせられた。(違う意味で)
そもそも、イリアスはアキレスと親友パトロクロスの友情がポイントであるはずなのに、この映画は敢えてブリセウスにキャラを立たせて愛をキーワードに持ってきた。これのせいでいまいちアキレスの性格が見えてこなかったような気もするんだけど、ストーリーとしては纏まってて中々よかったと思う。
個人的にはR指定にでもして、もうちょっと深くやった方がいいんじゃないかなぁ、とも思ったけど(笑)あんだけチャンバラやってるくせに、血飛沫も全く無かったからなぁ・・・惨状を演出にされるのは嫌いですが、あんまり血が流れないんで不自然だったかも。でも、話が少年漫画なんでやっぱりいいかな(^^;)
もちろん、お馴染のトロイの木馬や、アキレス腱のネタもちゃんと用意されていて、「あ、あの話はこう生きてくるのか!」って改めて神話の奥深さに感動する場面も多々。
そして特筆すべきはアキレスとヘクトルの一騎打ち。宣伝ではブラッド・ピットやオーランド・ブルームにどうも主流が行っちゃって、イリアスのもう一人の主人公とも言えるヘクトル演じるエリック・バナが無味になってる気がするんですが、この映画で一番カッコよく演じてるんじゃないでしょうか。
神話でも、野蛮なアキレスやヘタレなパリスよりも、一番人間的で性格のいいヘクトルは人気あるし、日本人にはこっちの方が受けるんじゃないだろうか。そもそも、イリアスの主人公はヘクトルにすべきだと思うし・・・映画は実はストーリー上の都合か思いっきり神話を捻じ曲げているところがあるんだけれど、唯一ヘクトルだけは神話に沿っていて、しかもアキレスとの一騎打ちは最高に上出来。この映画はトロイの木馬だろうが、アキレスのアキレス腱だろうが、そんなものはどうでもいい、アキレス対ヘクトルの一騎打ちのために用意されたようなものだと思う。それぐらい感動しました。
個人的にはオデュセウスが殆ど活躍していなかったところが残念だったけど、まぁオデュセウスが活躍するのはトロイア戦争が終わってからだからしょうがないか・・・プリアモス王の“あの”驚くべき行動もきちんと描写されています。
神話を知ってる人にはアレですが、もしイリアス神話を知らない人は、是非、神話を読まないで見ることをお勧めします。じゃないと、神話との相違が多すぎて「変だな?」って思うシーンばかりですから・・・もちろん神話ファンでも楽しめる作品だと思いますが。
なわけで五つ星。次はオデュセイアを映画化だね(笑)
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とか何とか言って、自分もサトクリフの小説を読んだ程度にしかイリアスは知らないんですが・・・でも、やっぱり変だなーって思った箇所が結構あったんで、映画が神話を無視している点を書いてみようかな。以下ネタばれですので注意。
●神々が登場しない
これは仕方ない。そういう映画だもんね。大体神話で、アフロディテやらアテネやらが、人間の心を操るように戦争を推し進めているのは自分も好きじゃなかったし・・・。
●メネラオスをヘクトルが殺してしまう
あー、やっちゃったよ。って思った(^^;)
メネラオスは生き残って、戦争終結後ヘレンとともに国に帰るはずでは。まぁ、兄アガメムノン王がああいう権力の権化みたいなキャラだったんでしょうがないか・・・。
●パトロクロス、ブリセウスがそれぞれいとこ
これはよくわかんないんですが・・・本当にいとこだったんでしょうか。
正直、ブリセウスのキャラが立ちすぎて、アキレスが“いとこにすぎない”パトロクロスが殺されただけであんなに激怒した理由がいまいち掴めなかった・・・神話では親友で竹馬の友、って感じじゃなかったっけ。
●アキレスの父が死んでる
えっと・・・そうだったっけ?
●トロイの木馬がポセイドンへの供物
本当はアテネへ捧げるはず。
これはオデュセウスの話が割愛されてたせいなんだよね、やっぱり・・・。
もうちょっと歴史的な面も頑張って欲しかった。
●アキレスがトロイの木馬に入ってる
ストーリー的にはこっちの方が面白いけど、本当はさっさとパリスが倒してしまう。
ちなみに、パリスもトロイの木馬以前に亡くなっている。
●アンドロマケなど、トロイアの一族が無事?
まぁ、ハッピーエンドだからいいか。
アイネイアスがさり気なく登場してたのは楽しかった。
まぁ、色々と胡散臭い点もあるけど、こういう設定の変更が映画を楽しくしているんですよね。英語も結構簡単なものばかり使われてるんで、日本語字幕無しでまた観ようかなぁ。
DVDは結構字幕・音声の変更が色々楽めるからいいですよね。音声英語・字幕英語で観るとリスニングが上達するすし、音声日本語・字幕英語で見ると和英の練習にもなる?微妙に表現が違ってたりして楽しいなぁ、なんて思えるようになればかなり上達してるでしょう(笑)
本当は劇場で見たかったんだけど、結局行く機会を逸してしまって、DVDで見ることに。何かDVD化早いですね。
『アキレス腱』『トロイの木馬』といった慣用句の語源を生み出したギリシア神話・イリアスの映画化。神話を知っている人には、ネタばれも何もないんですが、ネタばれ無しの方向で感想でも。
物語そのものが壮大なんで、さすがに映画も凄かった。スパルタ軍とトロイア軍のぶつかり合いは嫌気が指すほど強烈だったし、もちろん神話に登場するお馴染のアキレスや、王子パリスとメネラオスの一騎打ちもハラハラさせられた。(違う意味で)
そもそも、イリアスはアキレスと親友パトロクロスの友情がポイントであるはずなのに、この映画は敢えてブリセウスにキャラを立たせて愛をキーワードに持ってきた。これのせいでいまいちアキレスの性格が見えてこなかったような気もするんだけど、ストーリーとしては纏まってて中々よかったと思う。
個人的にはR指定にでもして、もうちょっと深くやった方がいいんじゃないかなぁ、とも思ったけど(笑)あんだけチャンバラやってるくせに、血飛沫も全く無かったからなぁ・・・惨状を演出にされるのは嫌いですが、あんまり血が流れないんで不自然だったかも。でも、話が少年漫画なんでやっぱりいいかな(^^;)
もちろん、お馴染のトロイの木馬や、アキレス腱のネタもちゃんと用意されていて、「あ、あの話はこう生きてくるのか!」って改めて神話の奥深さに感動する場面も多々。
そして特筆すべきはアキレスとヘクトルの一騎打ち。宣伝ではブラッド・ピットやオーランド・ブルームにどうも主流が行っちゃって、イリアスのもう一人の主人公とも言えるヘクトル演じるエリック・バナが無味になってる気がするんですが、この映画で一番カッコよく演じてるんじゃないでしょうか。
神話でも、野蛮なアキレスやヘタレなパリスよりも、一番人間的で性格のいいヘクトルは人気あるし、日本人にはこっちの方が受けるんじゃないだろうか。そもそも、イリアスの主人公はヘクトルにすべきだと思うし・・・映画は実はストーリー上の都合か思いっきり神話を捻じ曲げているところがあるんだけれど、唯一ヘクトルだけは神話に沿っていて、しかもアキレスとの一騎打ちは最高に上出来。この映画はトロイの木馬だろうが、アキレスのアキレス腱だろうが、そんなものはどうでもいい、アキレス対ヘクトルの一騎打ちのために用意されたようなものだと思う。それぐらい感動しました。
個人的にはオデュセウスが殆ど活躍していなかったところが残念だったけど、まぁオデュセウスが活躍するのはトロイア戦争が終わってからだからしょうがないか・・・プリアモス王の“あの”驚くべき行動もきちんと描写されています。
神話を知ってる人にはアレですが、もしイリアス神話を知らない人は、是非、神話を読まないで見ることをお勧めします。じゃないと、神話との相違が多すぎて「変だな?」って思うシーンばかりですから・・・もちろん神話ファンでも楽しめる作品だと思いますが。
なわけで五つ星。次はオデュセイアを映画化だね(笑)
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とか何とか言って、自分もサトクリフの小説を読んだ程度にしかイリアスは知らないんですが・・・でも、やっぱり変だなーって思った箇所が結構あったんで、映画が神話を無視している点を書いてみようかな。以下ネタばれですので注意。
●神々が登場しない
これは仕方ない。そういう映画だもんね。大体神話で、アフロディテやらアテネやらが、人間の心を操るように戦争を推し進めているのは自分も好きじゃなかったし・・・。
●メネラオスをヘクトルが殺してしまう
あー、やっちゃったよ。って思った(^^;)
メネラオスは生き残って、戦争終結後ヘレンとともに国に帰るはずでは。まぁ、兄アガメムノン王がああいう権力の権化みたいなキャラだったんでしょうがないか・・・。
●パトロクロス、ブリセウスがそれぞれいとこ
これはよくわかんないんですが・・・本当にいとこだったんでしょうか。
正直、ブリセウスのキャラが立ちすぎて、アキレスが“いとこにすぎない”パトロクロスが殺されただけであんなに激怒した理由がいまいち掴めなかった・・・神話では親友で竹馬の友、って感じじゃなかったっけ。
●アキレスの父が死んでる
えっと・・・そうだったっけ?
●トロイの木馬がポセイドンへの供物
本当はアテネへ捧げるはず。
これはオデュセウスの話が割愛されてたせいなんだよね、やっぱり・・・。
もうちょっと歴史的な面も頑張って欲しかった。
●アキレスがトロイの木馬に入ってる
ストーリー的にはこっちの方が面白いけど、本当はさっさとパリスが倒してしまう。
ちなみに、パリスもトロイの木馬以前に亡くなっている。
●アンドロマケなど、トロイアの一族が無事?
まぁ、ハッピーエンドだからいいか。
アイネイアスがさり気なく登場してたのは楽しかった。
まぁ、色々と胡散臭い点もあるけど、こういう設定の変更が映画を楽しくしているんですよね。英語も結構簡単なものばかり使われてるんで、日本語字幕無しでまた観ようかなぁ。
DVDは結構字幕・音声の変更が色々楽めるからいいですよね。音声英語・字幕英語で観るとリスニングが上達するすし、音声日本語・字幕英語で見ると和英の練習にもなる?微妙に表現が違ってたりして楽しいなぁ、なんて思えるようになればかなり上達してるでしょう(笑)
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