胡蝶の夢

2003年7月26日
 てなわけで帰ってきました。・・・昨日(爆)

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 最近リアルについて考えさせることがある。インターネットをやっていると、ネット世界の事をバーチャルなどと呼ぶことがあるが、実際のところリアルとバーチャルの違いとはなんだろう。

 胡蝶の夢という話がある。昔の中国、戦国時代の思想家荘子が、蝶になってお花畑を飛び回り遊んだという夢を見た。目覚めて彼はふと疑問に思った。果たして今人間としての自分は本当の自分なのか。本当の自分とは先ほどまでの“夢”にいた蝶なのではないのか。

 夢と現の境界がはっきりしないということを言う故事である。

 もっとも、僕ははっきりしているとは思うが。今この文章を書いている時点での自分にとって、夢を見始めるときと夢を見終わるときの状況は明らかに違う。このメカニズムは可逆的なものではない。

 寝るときは、寝床に就こうという意思がある。しかし、夢から覚めるときは目覚ましに不意に中断されるとか、夢を見飽きて突然現実に戻されるとか。境界がボンヤリしているような夢はそう見ない。

 さて、夢と現・・・転じてバーチャルとリアルについて胡蝶の夢を見てみよう。リアルにとってのリアルはリアルである。リアルにとってのバーチャルはバーチャルである。

 では、バーチャルではどうか。バーチャルのリアルはバーチャルである。バーチャルにとってのバーチャルは・・・・・・そう、リアルである。

 おかしくはないか?リアルにとってのリアルは変わらずリアルなのに、バーチャルにとってのバーチャルはリアルと変わってしまうのである。

 バーチャルとリアルは別世界のように思えるが、実は全然対等な存在ではないのだ。反対語、つまり対義語として扱える言葉ではないのである。

 こういうのは結構多い。数学の掛け算でも、プラスにプラスを掛けてもプラスだが、マイナスにマイナスを掛けるとプラスである。プラスとマイナスは対等ではない。

 これの本質は肯定と否定・・・有るか無いかなのだ。有ることと無いのは対義語のように思えるが、全然対等な関係ではないのである。プラスをマイナスに、マイナスをプラスに摩り替えることは不可能なのだ。

 だから、バーチャル世界にもう1つの人格を作って、胡蝶の夢を見てる者は実に愚かだろう。夢と現は全く別ものなのだから。

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