文化とカルチャー

2003年4月5日
 レストランなどで、洋食を注文する。例えばスパゲティとしよう。数分後、目の前にはスパゲティが現れ、ついでにフォークが添えられる。

 日本人にとっては、少なくとも日本人である私にとって、スパゲティをフォークで食べることには不慣れだ。箸を使った方が実に使いやすい。平凡なレストランであれば、頼めば箸を出してくれるだろうが、伝統を重んじ、正装でないと入れないような高級料理店ではこれが許されないそうだ。

 他にもスープを口で啜ってはいけなかったり、茶碗蒸しをスプーンで食べてはいけなかったり。

 文化を伝統で縛ること、何と愚かな行為であろう。

 “文化”とは人が生きる上で得られた知恵であり糧である。知恵とは利便性を追求したもので、人に不便を与えるものではない。なのに、複数の文化か混じる―――例えばスパゲティをフォークが箸で食べる―――ことを何故か禁忌としタブーとする風潮がどことなく見られる。

 先人の知恵に伝統は寛容でない。情けないことだ。

 食べ方だけでない。礼儀から宗教、言語、思想、そして些細な仕草においてまでこれを互いに受けいられず対立する。文化を均せ、というわけではないが、この国際社会にそんな反発があっていいわけがない。

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