幼児語

2003年3月12日
 道端に(違法)駐車されている自家用車の横で、母親が乳飲み子に話しかけていた。「ブーブー乗る?」

 “ブーブー”とは云うまでもなく“自動車”のことだ。他にも“そうでちゅねー”とか“いきまちょ”とか、決まって大の大人が子供に話しかけることがある。“大の大人”が、だ。傍から見れば実におぞましく気持ち悪い光景だ。何でこんな所謂“幼児語”を“大人”が使うのだろう?

 成長段階の幼児には、“サ行”や“タ行”などの発音がまだ難しいんだろう。それを引きずって“サセシスセソサソ”“タテチツテトタト”などの発声が儘ならない年増(幼児より年齢の高い人のこと^^;;)もよく見かける。

 従って、“サ行”や“タ行”などは濁音でも挟まないとマトモに喋れないのである。“ナ行”を濁らせて話す変人もいるが、まぁそれは無視するとして。

 第二に経験の少ない幼児は語彙に乏しい。だから、“車”よりも“ブーブー”と見たまんまで喋りやすい言葉の方が認識しやすいのだろう。

 だから、幼児にとっては“車”は“ブーブー”なんだから話しかけるときも“車”でなく“ブーブー”を使わなくてはならない。この点では大の大人が“幼児語”を使うのに何の問題はない。

 それでは第一の理由、発声できないがために言葉が濁る、は? 耳にすることと声に出すことは別の感覚だ。幼児が“でしゅ”と喋ったとしても、それは“です”を耳にして、“です”と話そうとしたのだから、語彙に“でしゅ”はない。だから、大の大人が“でしゅ”“ましゅ”などの言葉を話す必要ない。それどころか、幼児が“でしゅ”“ましゅ”を“言語”として覚えてしまう可能性も無いとはいえない。

 心理学のことはさっぱりわからないが、もしかして幼児は言語学習の時点で“でしゅ”“ましゅ”を耳にしているがために間違えて認識しているのではないだろうか。それが発声練習の妨げとなり、正しい言葉が喋ることができないのを歳を取っても引きずってしまうのではないだろうか。

 幼児語を喋る大の大人は実に滑稽な光景である。

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