漢数字

2003年3月3日
 一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、禾市、穰、溝、澗、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数・・・[10^0〜10^68]

 マニアな人は知っている日本語の数詞である。昔、児童向けのパズル本に載っていたのを全部暗記して意味も無く喜んでいた記憶がある。円周率的な魅力があるのだろう。

 数字は、アラビア(算用)数字を使って書くのが一番判り易いが、縦書きの文章はそれを許してくれないので、上の漢数字を使う。例えば次のように使う。

 今から六千五百万年前に恐竜は滅びた―――

 我々は、百や千や万、多くても億や兆程度の数しか扱わないので、澗とか阿僧祇とか云ったものを記憶している必要は無い。だが、敢えて果てしなく大きな数を使わなくてはならなくなったとき(そんな例は思いつかないが^^;;)、例えば

 1234567898765432123456789

 という25桁の数を漢数字で表すと、

 十二穰三千四百五十六禾市七千八百九十八垓七千六百五十四京三千二百十二兆三千四百五十六億六千七百八十九

 という見るだけでも嫌になってくる文章(?)になってしまう。この億劫さから、ある日漢数字は変貌した。

 今から六五〇〇万年前に恐竜は滅びた―――

 “千”“十”“百”を使わず、ただ“〇〜九”の漢数字を使い、〇が続くところは便宜上“万”や“億”を使うのである。

 まさに本末転倒!!!何とも愚かしい行為だ。これは最早日本語ではなく、漢数字を借りた算用数字に他ならない。例えば“三四五六七八九〇”という漢数字的算用数字があったとき、読むためには一の位から桁数を数えないといけない。これでは全く算用数字と同じ面倒さを備えており、日本語の利便さを放棄してしまっている。

 これは日本語で無いから、縦書きに用いることは許されない。多少読みづらくなってもよいから、“34567890”と無理矢理割り込ませたほうがまだ利口である。

 英語表記が格好良く見えるように、数字も普段使わない漢数字を使ったほうが格好いいとでも思っているのだろうか。(思ってるんだろうな^^;)

 “日本語”を壊す要素はこれだけではない。“蜜柑を二三個頂戴”のように使う言葉があるが、漢数字的算用数字が認められると、これは“蜜柑が2個か3個程度欲しい”のか“蜜柑を23個欲しい”のか判らなくなってしまうのである。この差は非常に大きい。“蜜柑を二、三個頂戴”と読点をつけるのも馬鹿らしい。

 十倍以上も数を惑わしてしまう漢数字的算用数字の、全面撤廃を私は要求したい。

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