科学万能

2003年2月17日
 自然科学とはその場で起きている現象を解明する学問である。この定義に間違いがなければ、この世の中は科学万能であると云える、と私は思う。

 今あなたが眺めているコンピュータが動いていること、これは科学によって作られたものであり、科学で解明できることである。手がマウスを動かしていること。これは科学の一体系生物学によって解明できることであり、解明されるべきことである。今部屋が明るいこと。科学の一体系光学によって解明できることであり、解明されるべきことである。

 ――科学が万能だって?それなら俺を過去に連れてってみてくれよ。
 
 科学万能に対する反論にこのような理論を用いるのは愚かである。科学とは願望が可能かどうかを論ずるものではない。不可思議な現象の因果を解明するものであるのだから。

 ――なら、幽霊の存在は何なんだ。でっち上げなんかじゃなく、それを目撃している人が沢山いるぞ。

 この反論も些か物足りない。科学とは、この世で起こり得る現象を法則化したものだ。過去に起きたことが科学に反するものであるかどうかなど、その現象が何かを理解していないといけない。いくら不可思議な現象が過去に起きたからといって、記憶の中のものを科学することはできない。

 ――理解しろ、と云われても、理解できないものなんだからしょうがないじゃないか
 
 言葉を誤ってはいけない。それは理解できないのではなく、理解しようとしていないだけだ。そこに在るからには何か理由があるはずである。それを何でか知らないがとにかくいる、で済ましては、原因を追究する科学の根本に反している。科学万能への盾になるほどの事実ではない。

 科学とはその本質を理解することに対して信頼できる事実を得ることであり、得られた事実は科学となる。もし、第六感だとか神的存在だとか幽霊だとかへの理解を我々が得ることができたら、それも科学になるのである。

 要するに、その存在が確かと理解できるのならば、将来的には宗教などといったことも科学の一体系と成り得ることなのである。そのとき、科学が万能でないという盾は既に崩れ去っているのである。

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