―――まるで機械のように冷たい人間だ・・・

 さて、あなたの為すべき行動が選択肢として眼前にある。シチュエーションは自由に想定するといい。道が幾つも枝分かれしていて、あなたはどの道を進むか迷っている。心の中で、この道を進めばああなってしまう、というシュミレーションを行う。もっとも最良な結果が得られるであろう、最善の道を見つけ、歩を進める。

 ストップ、立ち止まろう。あなたが先ほどまで悩んで択一していた過去を思い出そう。あなたがこの道を選んだ、ということは確かな過去であり、他の道を進んだ自分は無い。つまり、自分は一本道を進んだに過ぎなく、運命は分岐していなかった。

 従って、あなたは過去から一本道を進んでおり、同様にして常しえの未来における過去も果てしない一本道を進むことになる。あなたに選択する余地は無く、ただ定められるであろう運命に身を委ねて未来を進むしかない。

 だから、現在に積み重ねられた条件を全てプログラミングし、法則の下にその条件をシュミレーションすれば、未来は予知可能であると云えよう。

 そして、暗黙の内に築き上げられている“条件”。あなたの存在と行動のプログラム、この広い世界のプログラム、それを定めた存在・・・神。しかし、存在とは条件の下に必要なものなので、その神さえも何者かの意思に存在を認可されているはずである。

 その何者かは一体何なのか。そして、その何者かをプログラムした何者かは何なのか。形而上な茫漠の彼方に見える極限に位置する存在・・・・・・数奇なる運命の下に存在を認められた我々は、どのようにすればそれを理解できるのだろう。

 ―――我々は機械の中にプログラムされた、神に踊らされている存在でしかない・・・

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